県がIR実施方針案を発表 独自の依存症対策も

和歌山県は20日、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致に向け、実施方針案を発表した。県は2025年春ごろのIR開業を目指しており、ことし春ごろに事業者の募集要項などを公表する。

方針案によると、整備区域は和歌山市毛見の和歌山マリーナシティで面積は23・63㌶、価格は約86・7億円。カジノや展示施設、国際会議場などを整備するよう求める。温泉や食文化などの地域資源やオーシャンフロントの立地などを生かしたリゾート型IRとし、コンセプトに「スポーツ&ウエルネス」を掲げる。

訪日外国人観光客の立ち寄り先が東京と大阪を結ぶゴールデンルートに集中する傾向がある中、紀伊半島や四国、伊勢湾などにある魅力的な観光資源をつなぎ、巡礼や食文化などストーリー性のある新たな観光街道の形成を目指す。事業期間は40年間。有識者などで構成する事業者選定委員会を設置する。

根強い懸念があるギャンブル依存症の対策として、IRのカジノ施設を利用する日本人と在住外国人に対して「IRカード」を作成し、入金上限額の設定機能の付与、また、依存症対策専門員の配置などを求める。

県の横山達伸企画政策局長は「地方と世界をつなぐ新たな観光ゲートウェイをつくり、世界中から多くの観光客を呼び込みたい」と話している。

誘致の候補地となっている和歌山マリーナシティ(和歌山県提供)