5.4%減の288億円 紀の川市20年度予算
和歌山県紀の川市は20日、2020年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比16億5000万円(5・4%)減の288億2000万円。特別会計や公営企業会計を含めた予算総額は4億6320万円(0・9%)減の504億917万円。重点的に進めてきたハード整備(市の基盤づくり)が完了することから、縮小となった。中村愼司市長は「安全・安心で住みよいまちを創るための予算だ」と述べた。予算案は25日開会の市議会定例会に提出される。
一般会計歳入
自主財源は89億7888万円で、全体に占める割合は31・2%。市税は4129万円(0・6%)増の65億7554万円。繰入金は354万円(0・4%)減の9億4016万円。地方交付税は2億8000万円(2・6%)減の104億6000万円を見込んでいる。市債は10億5960万円(33・5%)減の21億320万円を発行し20年度末の市債残高は263億9086万円を見込む。
一般会計歳出
性質別では人件費などの義務的経費が7970万円(0・6%)増の143億7126万円で全体の49・9%。普通建設事業や災害復旧事業費などの投資的経費は9億9182万円(24・1%)減の31億2056万円。
目的別では、民生費が3億133万円(2・9%)増の105億8990万円。教育費は5億9352万円(18・6%)減の26億35万円、農林業費は青洲の里整備事業費の増加などで2億96万円(18・6%)増の12億7959万円。
重点・新規事業
市は将来像を「人が行き交い自然の恵みあふれる住みよいまち」とし、長期総合計画で「安全・安心」「子育て・教育」「産業・交流」「都市基盤・生活環境」「地域づくり・行政経営」の5政策を基本に据える。新年度は重点分野に「防災力の向上」「人口減少対策」「行政改革の推進」を掲げる。
防災力の向上では集中豪雨や台風などの大規模な災害に備えるため、「河川」「ため池」を起因とする浸水被害への対策を重点化。2017年度から作成している「ため池ハザードマップ」の継続(8160万円)やため池の機能廃止(4820万円)・整備(1765万円)など合わせて15億円を投じる。
また市の人口は2005年の合併以降11・4%減少していることを踏まえ、「転出抑制」「転入促進」につながる住宅取得奨励金制度や奨学金返済支援制度の創設など、移住定住の促進策を推進する。
行政改革の推進は公共施設の老朽化対策、保有量の最適化を図る公共施設マネジメントの推進で市民の利便性を高めるとともに運営コストの縮減を図る。
新規事業として、道の駅「青洲の里」直売所の新築および屋外整備事業などに2億550万円、学校給食運営事業などに2億4668万円、粉河地区保育所解体整備事業に1億7807万円などを充てる。