過去最高の143万人 年末年始の県観光客

2019年度の年末年始(12月30日~1月3日)に和歌山県和歌山市や白浜町など県内の主要観光地7カ所を訪れた観光客数は143万6280人で、前年度より3・0%増加し、調査を開始した1991年度以来、最高の記録となったことが県観光振興課のまとめで分かった。好調なスタートとなった20年の県内観光だが、新型コロナウイルス感染症の全国的な拡大による影響は避けられないとみられ、先行きは不透明となっている。

調査したのは、和歌山市、高野町、田辺市龍神村、同本宮町、白浜町、那智勝浦町、串本町の7カ所。全体では、宿泊客は前年度比1・0%増の10万4570人、日帰り客は同3・2%増の133万1710人で、いずれも3年連続で前年度を上回った。

7カ所のうち5カ所で観光客総数は前年度を上回ったが、那智勝浦町と串本町は減少した。

那智勝浦町は7500人(4・6%)の減。宿泊施設のリニューアル工事や、1月4、5日も休日となり、初詣の観光客が分散したことなどが影響した。

串本町は410人(1・0%)の微減。初日の出を見に来る観光客が増加した一方、調査期間の前後も休日だったことによる入り込みの分散が響いた。

和歌山市の観光客総数は2・6%増の62万3700人(宿泊1万4000人、日帰り60万9700人)。期間を通じて天候に恵まれ、和歌山マリーナシティでのイルミネーションイベント「フェスタ・ルーチェ」が好調だったことなどが要因で、日帰り客と総数は調査開始以来最高だった前年度をさらに上回った。

高野町は、期間中の宿泊施設の営業日数が減少し、宿泊者数は減ったが、降雪もなく、天候が良かったため、高野龍神スカイラインの利用者が1・77倍に増加したことや、ケーブルカーが新造されたことなどにより日帰り客が15・4%増の伸びとなった。

田辺市龍神村は、同スカイラインを利用する温泉客の増加などで、総数が2・8%増えた。同市本宮町は、前年度に過去最高を記録した日帰り客と総数をさらに上回り、総数は5・9%増だった。

白浜町は、カウントダウン花火が強風のため中止になったが、羽田―南紀白浜便の機材が大型化され、南紀白浜空港の利用者が1・46倍となったことなどにより、宿泊者数が5・3%増と大きく伸び、総数も4・5%増となった。

新型コロナウイルス感染症による観光への影響は、統計に表れてくるのはこれからだが、春節の時期以降、中国などからの観光客が減少していることに加え、今月13日には県内でも患者が確認され、全国的な旅行控えもあり、春の行楽シーズンにかけての落ち込みも避けられないとみられる。