「感染拡大の兆候なし」 新型コロナで知事

和歌山県内の新型コロナウイルスの感染者は25日正午現在で13人となっている。県が22日に開いた記者会見では、和歌山市在住の40代の会社員男性の感染が新たに発表された。仁坂吉伸知事は24日の記者会見で「県内で特に感染が広がっている兆候はない」と強調し、冷静な対応を呼び掛けた。

県によると、22日に感染が確認された男性は、湯浅町の済生会有田病院の元入院患者で15日にウイルス検査で陽性が確認された60代男性の同僚。今月2日から医療機関を受診していた。現在は入院中だが症状はないという。直近の中国への渡航歴はない。

40代男性は発熱や全身の倦怠(けんたい)感、せきなどの症状が現われて以降、複数の医療機関を受診。3日以降も21日の午前まで出勤していた。19日に検体を採取し検査したが保留となり、21日に再び検体を採取。一緒に住んでいる父は検査により陰性が確認されている。

仁坂知事は「予想しないところからぼっと発生したわけではない。全県的にあちこちで発生している兆候はない。冷静さを失うことがないようにしてほしい」と呼び掛けた。

また、横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船した人の中で県内在住が確認されたのは25日正午現在で5人となっている。内訳は男性2人と女性3人で、男性は80代と60代、女性は70代1人と60代2人。いずれも陰性と確認され自宅待機となっている。

横浜から県内まで公共交通機関を利用して移動した可能性について問われた仁坂知事は「可能性は大いにあると思う。発症していないので大丈夫ではないかと信じている」と述べた。

冷静な対応を呼び掛ける仁坂知事

冷静な対応を呼び掛ける仁坂知事