IR反対で質問状 市民団体が知事らに提出へ

和歌山県が目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致に反対する市民団体「ストップ!カジノ和歌山の会」は19日、和歌山市内で会合を開き、仁坂吉伸知事、尾花正啓市長に、誘致への姿勢などを問う公開質問状を提出することを決めた。

会場となった紀三井寺の南コミュニティセンターには約20人が出席。内容について意見交換した。

質問は、発行する「IRカード」利用のシステムづくりについてや、ギャンブル依存症に対する考え方、周辺地域に及ぼす経済的な損失の試算、候補地の人工島・和歌山マリーナシティの災害対策などを問う内容。知事に16項目、市長へは8項目を用意した。

IRを巡っては、県は2025年春ごろの開業を目指し、3月に事業者の公募を開始している。

同団体の共同代表の一人、豊田泰史弁護士は「IRに関してはバラ色の話ばかりで、前のめりで進んでいる感がある。県や市の議会でも議論が十分になされておらず、このままでは危険。まずは質問状を出して県や市の見解をはっきり示してもらい、皆さんの誘致是非の判断材料になれば」と話した。

同団体は2月末に発足。和歌山市の有権者の1割にあたる3万5000人分を目標に、誘致中止を求めて署名活動を行っている。

公開質問状の内容について意見を交わす運営委員ら

公開質問状の内容について意見を交わす運営委員ら