「納豆消費量」で大きな差
前号では、水戸の名物として有名な納豆の歴史と、納豆の製造が盛んになった理由を取り上げた。関西では苦手な人が多いとされる納豆だが、実際のところはどうだろうか。今週は全国から比較した納豆の消費について、水戸市と和歌山市を比較したい。
総務省統計局が調査し公表している家計調査。2人以上の世帯において、1世帯あたりの品目別年間支出と購入数量を調べ、どのような品目でどの程度の地域差があるのかを明らかにするもの。都道府県庁所在地(市)と政令指定都市の全国52カ所が対象。
公表されている2017年~2019年の平均値で「乾物・海藻,大豆加工品等」の中の「納豆」は消費金額でランキング。水戸市は第2位にランクインし年間6171円。ちなみに第1位の盛岡市は6189円、第3位の山形市は5723円と、第3位に差をつけわずかに第1位に及ばずという結果。
一方、和歌山市は最下位の第52位で2306円、第51位の高松市の2589円から200円以上の差がついており、水戸市と比べれば約3分の1といっても過言ではない結果。実は筆者も納豆は苦手で自ら進んで購入することはない。
なぜ和歌山市の納豆消費量が少ないのか。一説には納豆の「匂い」を嫌う県民性が傾向としてあるという。また、第49位に徳島市、第48位に高知市が入ることから海産物でタンパク質を摂取できるという説や、醤油や味噌などで発酵食品を多く食べるからという説などさまざま。
梅で共通の多い両市だが、納豆においては文化の違いが大きいようだ。
(次田尚弘/水戸市)