観光や飲食の窮状報告 全県町村長ウェブ会議
仁坂吉伸知事や和歌山県内の市町村長らが県内のさまざまな課題について意見を交換する「全県市町村長会議」が26日、ウェブ上で開かれ、新型コロナウイルス感染症対策について意見を交換した。
県庁南別館や振興局、各市町村庁舎をウェブ会議でつなぐ形で開かれた。
新型コロナウイルス感染症による地域への影響について、高野町の平野嘉也町長は観光分野の現状を報告。ゴールデンウイークに町内で宿泊した外国人観光客の人数が昨年の約2万人からことしは約10人に減ったと説明した。田辺市の真砂充敏市長は「JR紀伊田辺駅前界隈には飲食店などが200店舗くらいあり、打撃は大変大きい。観光業は小売業以上に大変な打撃を受けている」と窮状を訴え、白浜町の井澗誠町長は「観光客を誘客できず町内の経済は疲弊し危機的な状況だ。なかなか出口が見えないが町民への支援策を講じ、再度観光資源をPRしていきたい。私が先頭に立って取り組んでまいりたい」と述べた。
会議では、自治体職員が新型コロナに感染した場合に行政機能をどう維持するかについても話し合われ、県の田村一郎総務部長は複数の職員が感染し本庁舎の一時閉鎖を余儀なくされた大津市の事例を報告。同市役所には36カ所の支所があり支所で住民票の発行など一定の業務を行うことができたことから、行政機能の完全な停止には至らなかったことを紹介した。