景況感7カ月連続の悪化 新型コロナで後退
帝国データバンクによる4月の景気動向調査で、企業の景況感を示す景気動向指数(DI)は全国で前月比6・7㌽減の25・8となり、7カ月連続の悪化、先月に続いて過去最大の下落幅を更新した。和歌山県内DIは同9・4㌽減の24・5で、全国平均を上回る落ち込みとなっている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済が収縮し、急速に悪化している上、収束の見通しが立たないなどの不確実性が強く、今後も景気後退は続くとみられる。
全国のDIは、全10業界・51業種のうち48業種が悪化し、「建設」「製造」「卸売」の3業界と「輸送用機械・器具製造」など14業種で前月からの下落幅が過去最大となった。
業界別のDIは、「サービス」が25・8(前月比9・5㌽減)、「製造」が24・7(同5・6㌽減)、「小売」が21・2(同5・5㌽減)、「建設」が33・9(同7・6㌽減)などだった。
県内DIの全国順位は前月の16位から36位に低下し、9カ月連続トップだった近畿2府4県内での順位も3位に後退。近畿のDI23・9は0・6㌽上回ったものの、差は縮小している。
規模別では、大企業は33・3(前月比2・7㌽増)に改善したが、中小企業は23・3(同10・9㌽減)の大幅な悪化となった。業界別では、製造業が16・7(同14・9㌽減)、非製造業が27・9(同6・9㌽減)で、製造業の落ち込みが目立つ。
先行きの見通しは3カ月後が24・2(前月29・1)、6カ月後が26・3(同33・1)、1年後は30・1(同37・6)となり、3カ月連続して全ての時点で悪化した。
同支店は、新型コロナウイルスを要因とする厳しい意見が聞かれるとし、先行きについても「短期間での収束は期待薄であるため、明るい材料に乏しく、県内景況はもう一段の悪化が懸念される」とみている。
調査は4月16~30日にインターネットで行い、対象2万3672社(県内118社)のうち1万1961社(同62社)が応じ、回答率は50・5%(同52・5%)だった。