安全安心な野菜を 桃山町のヨシムラファーム

ニンニクや桃、パッションフルーツなどを生産する農業生産法人㈱ヨシムラファーム(和歌山県紀の川市桃山町調月)は、し尿や生ごみなどのリサイクル有機質肥料を使い、資源循環農法で安心・安全な野菜を育てている。環境に負荷をかけない「持続可能な農業」は、今後ますます注目されそうだ。

同社は10年前に農業生産法人となり、6次産業化法に基づく総合化事業計画の認定を農林水産省から受け、県内初のニンニクの植付機械も導入している。

代表を務めるのは下水道の整備や下水道施設、リサイクル施設などのメンテナンス業を手掛ける㈱ヴァイオス(本社=和歌山市西庄)と㈲吉村環境でも社長を務める吉村英樹さん。ヨシムラファームでは、ヴァイオスが製造する有機質肥料「ばいおこんぽ」と土を利用しながら資源循環農法を行っている。

吉村社長によると、400年前の江戸時代は、し尿などを取り入れた農業をしていたといい、ヨシムラファームでは形を変えて科学的、現代風にアレンジしている。

「たい肥を入れた肥料は野菜の育ちが全然違う。土が布団のようにふわふわで柔らかくなるので栄養があり、おいしい野菜が作れる」と語る。

「いかに捨てないで生かして活用するかを考えることが大事」とし、簡単に捨てるのではなく、どうすれば有効に活用できるかを考える。

また同社では、「再生可能エネルギー生成装置」の小型メタンガス発電プラントを設置し、廃棄物を電力に変換。環境への配慮を積極的に行う。

「地域貢献をしたい」と吉村社長。環境への配慮とともに人材のセーフティーネットにも力を注ぎたいとしている。「農業で採算が取れるようにするのは大変だが、障害者や高齢者などが働けるようにもしたい。地の利を生かしたビジネスで頑張りたい」と話している。

 

有機質肥料で育てたニンニクを手にファームの皆さん(ヨシムラファーム提供)