カメラの西本が閉店へ 創業77年の老舗に幕
創業77年の老舗写真店、㈱西本(和歌山県和歌山市西高松、峠泰行社長)は、運営する「カメラの西本」と「西本スタジオ」を10日で閉店する。
同社は1943年に創業。カメラ・写真機材やDPE(現像・焼き付け・引き伸ばし)の販売、撮影などの事業を行ってきた。車庫前本店の3階ギャラリーでは多くの写真展が開かれ、写真愛好者が足を運んだ。
81年には元寺町に築地中央店が開店。フィルムカメラの最盛期には一日300人以上の客が訪れたという。同店は2014年2月に閉店し、同年にイオンモール和歌山内に開店した子ども写真スタジオ「スタジオフォトプティ!イオンモール和歌山店」も16年6月に閉店。車庫前本店のみの営業となっていた。
同社は閉店の告知を自社ホームページに掲載し、店舗入り口には張り紙を掲示。閉店を惜しむ常連客や写真愛好家らが訪れており、知らずに来店した客には閉店を伝えているという。現在は、店内の在庫商品を割引で販売している(一部商品を除く)。
また、同社の外商部門とサイン・プリント事業を分社化した西本ラボ㈱が1日付で設立されている。代表には土居誠氏が就任し、本部は岩出市中迫、事業所は㈱西本の社屋2階にある。
分社化の方針は閉店が決定する前からもので、西本ラボと西本の両社に資本関係はないという。