県内景況8カ月ぶり改善 コロナで見通し暗く

帝国データバンクによる5月の景気動向調査で、企業の景況感を示す景気動向指数(DI)は全国で前月比0・6㌽減の25・2となり、8カ月連続で悪化した。急激な収縮には歯止めがかかったものの、生産活動の減退が続いた。一方、和歌山県内DIは同2・4㌽増の26・9で、8カ月ぶりの改善となったが、新型コロナウイルス感染症の影響が続き、具体性のある明るい材料は少ない。

全国のDIは、全10業界のうち「製造」「卸売」など5業界が悪化し、「製造」は2002年5月の調査開始以降初めて、13カ月連続の悪化となった。51業種では「広告関連」など7業種が過去最低を記録した。

業界別のDIは、「製造」が23・0(前月比1・7㌽減)、「農・林・水産」が25・1(同3・1㌽減)、「サービス」が26・1(同0・3㌽増などだった。

県内DIの全国順位は前月の36位から15位に上昇し、2カ月ぶりに近畿2府4県内でトップとなった。近畿のDI23・8との差は3・1㌽に拡大した。

規模別では、大企業は30・6(前月比2・7㌽減)に悪化したが、中小企業は26・6(同3・3㌽増)に改善。業界別では、製造業が27・8(同11・1㌽増)、非製造業が26・5(同1・4㌽減)で、5カ月ぶりに製造業が非製造業を上回った。

先行きの見通しは3カ月後が29・0(前月24・2)、6カ月後が29・5(同26・3)、1年後は33・8(同30・1)で、4カ月ぶりに全時点で改善した。

同支店は、新型コロナを要因とする厳しい意見が引き続き聞かれるとし、先行きについても「短期間での収束は期待薄な状況が続いているため、具体性のある明るい材料が少なく、県内景況はさらなる悪化が懸念される」とみている。

調査は5月18~31日にインターネットで行い、対象2万3675社(県内119社)のうち1万1979社(同70社)が応じ、回答率は50・6%(同58・8%)だった。

 

近畿各府県の景気DIの推移