一戦限りの夏の聖地 17日智弁×尽誠学園

今春の選抜高校野球大会に出場予定だった32校が兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で試合を行う「2020年甲子園高校野球交流試合」。和歌山県内からは智弁和歌山が参加し、大会最終日の17日第2試合で尽誠学園(香川)と対戦する。和歌山県独自大会を圧倒的な強さで制し、一戦限りの聖地に立つチームがどんな試合を見せるのか期待される。

【戦力・守備】

県独自大会では計6投手を起用。全5試合を継投で戦い、失点はわずか9と相手打線を寄せ付けなかった。

エースの小林樹斗(3年)はプロ注目の右腕。視察に訪れたプロのスカウトのスピードガンで150㌔超を計測するなど球威で打者を圧倒する。県独自大会では、7回と3分の2を投げて11三振を奪った。制球も良く与四死球はわずか1。スライダーやスプリットなどの変化球もキレが鋭い。

左腕の矢田(同)や池田、右横手投げの大林(同)なども控える。県独自大会で特に光ったのが大林(同)だ。初戦と準決勝で先発し試合をつくるなど、計10回を投げて無失点。最速134㌔の直球にスライダーやツーシームを交え、テンポ良く投げ込む。真摯に努力する姿勢は中谷仁監督の評価も高く、大林本人も「与えられた場所で最高の結果を出す」と意気込む。

投手陣をリードする捕手は石平(2年)や宇井(3年)らが出場機会を争う。県独自大会では石平が3試合で先発マスクをかぶった。

県独自大会での失策は4。内野は遊撃・細川、二塁・綾原を中心に堅く、外野は中堅手の宮坂が俊足を生かした守備範囲の広さで安打性の打球をいくつもアウトにするなど不安はない。

【戦力・攻撃】

県独自大会は全試合で2桁安打を放ち39得点を挙げた。ことしも伝統の強打は健在だ。

細川、綾原、宮坂、德丸、川上の1~5番は不動。1番の細川は左右に鋭い当たりを打ち分け、塁に出れば50㍍5秒台の足で相手を揺さぶる。決勝では4打点を挙げる活躍を見せた。4番の德丸は準決勝、決勝でともに3安打を放ち打線をけん引。5番の川上は準決勝で左中間に本塁打を放つなど長打力が魅力だ。6番以降は日替わりで力強い打撃が魅力の角井、3回戦で市立和歌山の好投手・岩本から満塁本塁打を放った平田、打撃好調の畑などが出番に備える。

県独自大会での盗塁数は10。宮坂は準々決勝で1試合3盗塁。大会を通じて6盗塁を決め、武器の足を存分に披露した。チーム全体の犠打は6。持ち前の強打に小技や機動力も絡め貪欲に得点を狙う。

【対戦相手】

対戦相手の尽誠学園は昨秋の四国大会で準優勝。13日に閉幕した香川県独自大会では優勝を果たした。打線は上位から下位まで切れ目がなく、集中打も光る。主砲の仲村は長打力があり、好機での勝負強さも魅力だ。投手陣は左腕の村上がエース。完投能力に優れ、制球も良く変化球を低めに集めて打たせて取る。昨秋の県・四国大会は〝後半勝負〟を合言葉に勝ち上がり、終盤の競り合いに強いチームだけに、智弁としては序盤から多く点を取って引き離し、試合を優位に進めたい。

和歌山大会でも本塁打を放った川上

和歌山大会でも本塁打を放った川上