「スラムドッグ$ミリオネア」原作者が講演

 在大阪・神戸インド総領事館総領事で、 アカデミー賞受賞映画 「スラムドッグ$ミリオネア」 の原作者としても知られる、 ヴィカース・スワループさんが1日、 ホテルアバローム紀の国(和歌山市湊通丁北)で 「Why India ?」 と題して講演し、 著しく経済成長するインドの魅力をPRした。 公益財団法人わかやま産業振興財団、 県など主催の 「インドセミナーin和歌山~新しい経済関係構築へ~」 の一環で民間企業などの約100人が聴き入った。

 ヴィカースさんは、 人口約12億人に支えられる巨大な市場▽人件費など製造にかかるコストの低さなどインドの強みを挙げ、 「世界経済で生き残る核を持っている」 と強調。

 国際協力銀行の平成20年の調査で、 長期的有望事業展開先で中国を抑えて1位になったことや、 今後10~20年に世界有数の消費市場・経済大国に成長すると予想されているデータなどを示した。

 23年2月に日本とインドで結ばれた 「包括的経済連携協定」 (CEPA)により、 関税が段階的に撤廃されるなど貿易しやすい環境が整いつつある現状を説明。 インドのパック入りのオレンジジュースの価格を例に挙げ、 「日本よりはるかに高い。 ミカンの産地である和歌山もインドへの市場参入を検討すべき」 と提案。 「あとは、 皆さんがいつインドに来るかということを決めてくれるだけ」 と積極的にインドへの進出を呼び掛けた。

 インドに進出した日系企業は、 昨年10月で812社となり、 5年前の3倍以上となっている。 県企業振興課によると、 県内からは3社が進出している。