夜間の活動を想定 消防学校が災害訓練
和歌山県消防学校(和歌山市加太)の初任教育第44期生46人は20日午前から21日朝にかけて、市内で大規模災害時の長時間活動や宿営地設営を行う「大規模災害対応訓練」を実施した。
44期生はことし県内の13消防本部で採用され、4月から6カ月間の初任教育を受けているが、新型コロナウイルス感染症の影響で入寮時に問診と検温を行ったり、外部講師による講義が中止になったり、例年通りにできない状況が続いていた。訓練は昨年に始まり、和歌山市内で震度6強の地震が発生し、活動要請があったという想定で救助者の長距離移送や建物火災対応などの訓練を行った。
20日は午前10時ごろに同市湊通丁北の県庁南別館で訓練を開始。脇田佳典校長は「全員で訓練するのが難しい状況が続き、きょうやっと全員で大きな訓練ができる。体調に気をつけて、明日の朝にみんな笑顔で終了できるようにしてもらいたい」とあいさつした。
生徒長で湯浅広川消防組合消防本部の吉川克樹消防士(25)は「大規模災害が起きたときに向け、知識を自分たちのものにできるように頑張りたい」と話した。
生徒らは南別館を出発し、想定の加太瀬戸内国立公園でキャンプ中に孤立した人を救助してから消防学校までの約17㌔を歩いた。夜は救助訓練や建物火災訓練を校内の訓練施設で行った。