コロナ対策語る 内外情勢調査会で仁坂知事
一般社団法人内外情勢調査会和歌山支部は21日、8月例会を和歌山県和歌山市のホテルアバローム紀の国で開いた。支部長の仁坂吉伸知事が新型コロナウイルスに関する県の取り組みについて講演し、感染拡大防止のために、保健医療行政の努力と県民の努力を足し合わせていくことが重要と話した。
仁坂知事は、2月13日に発生した済生会有田病院(湯浅町)での集団感染への対応を振り返り、関係者全員のPCR検査を実施した理由について「あの病院は怪しいんじゃないかと思われると医療が機能しなくなる。厚生労働省には『やり過ぎ』と言われたが、県民に信頼してもらえるよう、全員の検査にこだわった」と説明した。
その後、PCR検査数を増やすべきとの論調が全国的に広がったことについては、県の対応の影響があったかもしれないとし、「PCR検査をたくさんするのはいいが、陽性者の隔離と一体でやらなければ意味がない。陽性者がうろついてしまえば感染が爆発する」と述べ、検査数ばかりを重視することを批判した。
県では、県民に地元のクリニック受診を呼び掛け、保健所との連携で感染者を早期に発見、隔離し、徹底した行動履歴の調査による濃厚接触者の囲い込みを続けていることが、感染拡大を防止してきたと語った。
今後については、感染防止と経済対策を続けながら「耐えて、とにかく生き延びなければならない」とし、IR(カジノを含む統合型リゾート)誘致やICT企業誘致などで新しい成長の芽を生み出し、テレワークの普及で生まれつつある大都市集中から地方回帰の流れなど、新しい世界への対応が必要と述べた。