友ヶ島の漂着ごみ 現地調査に小学生も参加
和歌山県和歌山市沖に浮かぶ友ヶ島で、ごみの漂着が深刻化している問題で、大阪湾の海洋ごみ問題の改善に取り組む一般社団法人「加太・友ヶ島環境戦略研究会」が現地での本格的な調査を開始。市も取り組みに協力し、地元小学校の児童も活動に参加。今後も島での定期的な調査でごみと潮の流れの関係などについて分析し、問題解決に取り組んでいく。
同研究会は大学教員や加太地区に住む住民の代表らで構成される。このほど、研究会のメンバーや市職員の他、同市立松江小学校の5年生約70人が友ヶ島に渡り、島の海岸に漂着したごみを回収。加太中学校の体育館で回収したごみを分類した。
同研究会の代表理事を務める千葉知世大阪府立大学准教授(地球環境学)によると、島の北岸では缶やライター、目薬、発泡スチロールなど生活関係のごみが目立ち、南岸では靴や漁業関係のごみが多く見られたという。
分類作業の合間には、同研究会のメンバーが加太小学校・中学校の児童や生徒たちに友ヶ島の漂着ごみの現状などを説明。子どもたちからは特に多く漂着しているごみの種類や島の中で特にごみの漂着が目立つ場所などについて質問が出た。
千葉准教授は「ごみの量がどれくらいで、季節などの要因によってどのように変化するかなどのデータがまったくなかった。集めたデータを基に、政策提言まで持っていきたい」と話していた。