市高が和東に逆転V 秋の高校野球県予選

秋季高校野球県2次予選は4日、決勝と3位決定戦が和歌山市の紀三井寺公園野球場であり、決勝は市和歌山が8―2で和歌山東を破り、5年ぶり6回目の優勝を飾った。3位決定戦は智弁和歌山が向陽に10―4で勝利。市高、和東、智弁の3チームは17日に京都市のわかさスタジアム京都で開幕する近畿大会に出場する。

【決勝】

和歌山東 1 1 0 0 0 0 0 0 0 2
市和歌山 0 1 3 0 0 0 4 0 X 8

〔和〕田代―笠本〔市〕米田、小園―松川▽本塁打=奥出(和)田中、松川(市)▽3塁打=川島(市)▽2塁打=杉本、河渕(市)

市高は1点を追う3回裏、2死1、3塁で4番の松川が左中間に本塁打を放ち逆転。7回は2死から河渕、平林の連打で1、3塁とし、松川が中前に適時打。5番・田中、7番・吉見にも適時打が飛び出し、この回一挙4点を加えて突き放した。

3回から救援したエースの小園は、右上手からキレのある直球、カットボールなどを投げ込み、7回を無失点。13三振を奪ってみせた。

市高の半田真一監督は、「先制されたが落ち着いて自分たちの野球ができた」と振り返り、相手の先発・田代投手の攻略法として「低めの変化球を見極めて浮いたところをしっかりたたく」ことを重視していたと話した。小園の投球については「連投(の疲れ)を感じさせない投球だった。雰囲気があり、彼が投げると攻撃にもリズムがでる」と高く評価。大会を振り返り「相手に大量点を取らせず、攻撃でも各打者が新人戦で出た課題を修正するなどやってきたことをしっかり出せた」とし、「1番打者の出塁率、終盤の守備のミスなどが課題。近畿大会は優勝を目指して頑張りたい」と先を見据えた。

2安打4打点と活躍した松川は「今週はめちゃくちゃ調子が良く、自信を持って打席に入ることができている」と語り、逆転本塁打について「最初の打席はツーシーム系の球で打ち取られていたので、狙っていた。公式戦での本塁打は初めて。すごく自信になる」と笑顔。「近畿大会で優勝し明治神宮大会に行きたい」と話した。

和東は1回、4番・上代の適時打で1点を先制。2回は先頭の6番・奥出が左越え本塁打を放ち1点を追加。6回は安打と四球で2死1、2塁とし、5番の江川主将が中前打。2塁走者が本塁を狙ったが、市高の中堅手・平林の好返球に阻まれ得点はならなかった。7回は2死2、3塁としたが、1番の佐々木がカットボールを打ち上げ左飛に倒れた。

先発したエースの田代は13安打を許し8点を失った。中盤は粘り強く投げたが、7回に2死無走者から一挙4点を奪われるなど、勝負どころで踏ん張り切れなかった。

逆転し盛り上がる市高のベンチ

逆転し盛り上がる市高のベンチ