政務調査費の返還訴訟 県が上告を断念
和歌山県議の政務調査費(現政務活動費)の使途を巡る住民訴訟について、当時の県議10人に計約1444万円を返還させるように仁坂知事に命じた大阪高裁判決について、県は12日、上告を断念すると発表した。
県では「主張が認められず残念であるが、大阪高裁の判断は事実認定の問題であり、最高裁に訴えるべき法令違反があるとは言い難く、上告する理由がない」とし「上告が受理され判決が覆る可能性がないとの弁護士の見解もあり、高裁の判断を受け入れざるを得ないと判断した」としている。
また、岸本健県議会議長は「議員にとっては非常に残念な結果となったが、上告しないという知事の判断を受け入れる。本判決を踏まえ、今後は、より一層の適正執行に努めたい」とのコメントを発表した。
仁坂知事は13日の定例記者会見で、上告を断念したことについて問われ「事実関係を認めてもらえなかった。こういう活動をしていますというのを証明する材料がなかった。県議の皆さんにお願いして支払っていただく。粛々とやらざるを得ない」と述べた。