国土強靭化予算拡充を 二階氏が申し入れ
自民党の二階俊博幹事長(衆議院和歌山3区選出)は11日、災害に強いインフラ整備を進める国土強靭(きょうじん)化施策について、2021年度以降の予算拡充などを求める党の緊急決議を菅義偉首相に申し入れた。
二階氏が本部長を務める党国土強靭化推進本部は10日に会議を開き、地震や豪雨など相次ぐ自然災害に備えるため、大幅に予算を増額してきた「防災・減災、国土強靭化のための緊急3か年対策」が来年3月末で終了することを受け、緊急決議を実施。
21年度から5年間、緊急対策の内容を拡充する計画を閣議決定し、特別枠で予算を確保することと、災害からの早期復旧、被害拡大防止のため、TEC―FORCE(緊急災害対策派遣隊)や最前線の現場組織の体制強化を図ることを求めている。
首相官邸での申し入れ後に記者団の取材に応じた二階氏は「この3年間で国土強靭化に資するさまざまな整備が一定程度進められたが、この間も多くの自然災害が全国各地を襲うなどまだまだ十分とは言い難い。全国各地の皆さまからも引き続きの対策が強く求められている。来年度予算の編成作業が本格化する中、党としては不退転の覚悟と決意を持って臨みたい」と述べた。
また、菅首相が2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロを目指すと表明したことを受け、党として二階氏を本部長とする推進本部を設置し、11日に初会合を開催。菅氏と二階氏の会談ではこの点も話題となり、二階氏は「今後、政府・与党が一丸となって脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいくことを確認できた」と語った。