海上保安官の懸命の活動に敬意 体制・装備強化のための予算増を

18日、第204通常国会が召集されました。国民生活を守るために新型コロナウイルス感染拡大防止への取り組みを進めながら、社会経済活動の回復をさせることが政治に課せられた使命であると考えます。私たちは国会での議論を通じて、非常事態であるからこそ、野党の皆さんの意見にもしっかり耳を傾けながら、この難局を乗り切る決意です。まずは2020年度第3次補正予算案、新型コロナウイルスの特別措置法改正案、2021年度予算案の早期成立に全力を尽くします。
その中で、私は菅義偉内閣総理大臣に対し、国会冒頭の代表質問において、海上保安庁の体制・装備強化のための予算増を強く主張したいと思います。
新型コロナウイルスは世界中で猛威をふるい、多大な犠牲をもたらしたのみならず、国際情勢にも大きな影響を及ぼしています。「人間の安全保障」が大きな挑戦に直面している今こそ、世界が一つになって、この困難を克服しなければなりません。それにもかかわらず、これまで世界の平和と繁栄を支えてきた普遍的価値や国際秩序が大きく揺さぶられ、わが国を取り巻く環境も厳しさを増しています。
北朝鮮では、金正恩委員長が党大会において米国を「最大の敵」と名指しし、軍事パレードで自らの軍事力を世界に対して誇示しました。日本海を挟む領海警備は緊張感を増す一方です。
また、日中関係は極めて重要な二国間関係であり、これまで先人達は間断なく互いに交流を続け、この関係を育む努力をしてきました。それにもかかわらず、中国は、尖閣諸島周辺の領海に侵入するのみならず、日本漁船を追尾するなど、一方的に現状変更を試み、わが国の主権に対する挑戦を続けています。問題ある中国の行動に対しては、主張すべきをしっかり主張し、具体的な行動を求めていく必要があります。
このように、四方を海に囲まれた島国であるわが国にとって、国境警備の最前線となるのは常に海の上であり、寒風吹きすさぶこの瞬間も洋上で人知れず、日々戦っているのが海上保安官です。現場の最前線で対応している海上保安官や関係者の皆さまには頭の下がる思いです。
彼らの任務は国境警備以外にも、海の消防・警察として海難救助や海上犯罪の取り締まり、激甚化する自然災害への対応、さらには新型コロナウイルス感染者等の離島からの搬送など、国民の安全・安心を守るために全国で日夜、懸命に任務を遂行しています。私はこの国会を通じて、海上保安官の任務遂行に万全を期すために、新たな予算措置を講じることを強く訴えてまいりたいと思います。
和歌山県内においても、平成28年より鶴保庸介参議院議員を会長とする「海上保安友の会・和歌山支部」が発足し、海上保安業務の理解向上を目的に精力的に活動されています。趣旨に賛同いただける皆さまはぜひ活動にご参加ください。