出口、川端さん市長賞 障害の理解ポスター
障害の有無に関係なく誰もが住み良い安心安全な社会づくりを目指す一環として和歌山市が募集した2020年度「障害の理解・啓発ポスターコンクール」の入賞作品が決まり、最高賞の市長賞に、ヘルプマーク部門で県立和歌山さくら支援学校小学部6年の出口和樹さん(12)、聴覚障害者への配慮部門で市立和歌山高校3年の川端教恩(きょうこ)さん(18)の作品が選ばれた。
ヘルプマークは、内部障害や難病、義足の使用、妊娠初期の人など、外見からは分からないが周囲の援助や配慮を必要としていることを知らせるもの。聴覚障害は、聞こえに個人差がある他、失聴した時期(年齢)などによって、手話や筆談など主なコミュニケーション手段が異なる。こうしたことを正しく理解し、広く社会に啓発するため、市は17年度から同コンクールを実施している。
市内在住か通勤・通学している人を対象に、今回は昨年9~11月に作品を募集し、58点(ヘルプマーク部門41点、聴覚障害者への配慮部門17点)の応募の中から、各部門で市長賞1点、優秀賞2点(一般、中学生以下各1点)、特別賞1点が決まった。
出口さんの作品は、「笑顔を守るために、思いやりある行動をみんながとれるように」との思いを込め、右手にヘルプマークを持った笑顔の人物を大きく描き、「笑顔を守る 思いやりのある行動」との言葉を添えて、明るい色調で仕上げている。
川端さんの作品は、「伝えたい、理解したい。」の標語とともに、聴覚障害者が使っている手話、筆談、口の動きや表情を読み取る読話・口話の三つのコミュニケーション手段を紹介。「個々に合った方法でコミュニケーションしてほしい」という気持ちを表現した。
表彰式は18日、市役所で行われた。一人ひとりに賞状、作品の図柄をプリントした記念のマグカップを手渡した尾花正啓市長は「人と人が支え合える社会をつくっていく基本が思いやり」と述べ、それを表現した受賞者をたたえた。
出口さんは「頑張って描きました。(受賞は)うれしいです」、川端さんは「自分の作品がポスターになるとは思わず、びっくりです」と話していた。
市長賞の2人の作品は、障害啓発事業のポスターに採用され、市関係機関や障害福祉サービス事業所、公共交通機関などに配布される。
市長賞以外の入賞者は次の皆さん。
【ヘルプマーク部門】優秀賞・一般の部=坂田萌乃香(18)▽同・中学生以下の部=串上ゆきな(13)▽特別賞=村上さくら(23)
【聴覚障害者への配慮部門】優秀賞・一般の部=松本寧音(18)▽同・中学生以下の部=土佐舞波美(8)▽特別賞=鳥居大智(10)