コロナ対策のための特措法等改正案の問題 ―補償と罰則のバランスが悪すぎる!
2月7日までの緊急事態宣言が1カ月延長されました。多くの飲食店をはじめ関係業界が影響を受けています。感染防止と経済のバランスをどう取るか、誰が政権を運営していても難しい課題です。そのための特別措置法・感染症法などの改正法案が国会に出されましたが、大きな問題があります。
修正協議で刑事罰が無くなったのは当然のことで評価できません。
改正の最大の目的は、営業時間の短縮要請を受けた飲食店などが、事業の規模や従業員数などに応じた十分な補償を受けられることです。
結局、法律に明確な規定は設けられず、大臣答弁でも、事業規模などに応じた十分な補償は約束されませんでした。
現在の緊急事態宣言では「事前の」国会報告が必要ですが、新設される「まん延防止等重点措置」の国会報告は法律上不要です。
罰則が導入されるにもかかわらず、民主的統制の観点から許されません。
「緊急事態措置」の前に「まん延防止等重点措置」というグレーゾーンを新設し、平事と有事の差を曖昧にしてしまったので、緊急事態宣言を発令する効果が減り、実効性が低下します。
また、罰則を新たに導入するなど私権制限を行う重要な法改正にもかかわらず、衆議院における審議が実質1日というのは国会審議のあり方として全く不十分であり、プロセスの観点からも大問題です。
昨年、私たち国民民主党が特措法等の改正を求めたのは、十分な補償と罰則をセットで導入し、感染拡大防止の実効性を高めるためでした。しかし、十分な補償が確保されない上、中途半端な「まん延防止等重点措置」を追加したため、緊急事態措置の効果も薄れる可能性があります。
これでは感染を抑え込めるかどうか疑問だったので、私たちはこの法案に反対し、事業規模などに応じた十分な補償と、「まん延防止等重点措置」の罰則を無くした上で国会報告を必要とし、「緊急事態措置」の国会承認への格上げを提案しました。
政府にはPCR検査に加え抗原検査キットなどを用いた検査の拡充による感染拡大予防と着実なワクチン接種体制の構築を求めます。そして、雇用調整助成金の延長やできる限り多くの非正規の従業員に休業手当、休業支援金・給付金を受け取ってもらうように努力してもらいたいと思います。