優れた製品開発認定 県企業ソムリエに2社
和歌山県企業ソムリエ委員会(会長=島正博・㈱島精機製作所会長)の2020年度の認定企業に㈱ユニカル(橋本市小峰台、小林真治社長)、激励賞企業に㈱山東鐵工所(和歌山市宇須、河井恒治社長)が決まり、2日に県庁で認定、授与式が行われた。
同委員会は、次代の県経済をリードしうる企業を発掘、育成するために設置され、これまでに14社が認定企業、15社が激励賞企業となっている。県は認定、激励企業に対し、研究開発や販路開拓、人材導入事業などの費用を補助し、ビジネスプランの実現を支援している。
本年度は3社から応募があり、ビジネスプランの新規性や市場性、成長可能性、経営者の資質などの観点から総合的に審査した。
ユニカルは、金属素材・部品向けに、油分が含まれていない水性でありながら油性と同等の潤滑性能がある潤滑剤「LBK―7」を開発。安全性の高さ、寿命の長さ、使用時の視認のしやすさなどにより、環境への寄与、コスト削減などの効果があり、国内外での普及を目指している。
山東鐵工所は、フィルム加工機械で、運転を停止させることなく新旧の材料の切り替えを自動で行う「スプライス装置」の高速化を実現。旧基材と新基材のつなぎ時間が従来に比べて大幅に短縮され、生産ラインの搬送速度アップ、スプライス後に発生しやすい不良の減少により、コスト削減に大きく貢献する。
認定、授与式では、島会長が小林社長と河井社長に表彰状を手渡した。
小林社長は「LBK―7」について「顔や手に付けても大丈夫」と話し、米国市場の開拓に意欲を示した。河井社長は「ずっと同じことをやっていたら廃れていく。10年単位で物事を見て、10年後には事業の次の柱をつくりたい」と、さらなる事業の発展に向け、意気込みを話した。