戦場カメラマン ユーモアたっぷり講演
県内に聴覚障害高齢者などのための施設建設に向けて取り組んでいる一般社団法人県聴覚障害者協会(福田美枝子会長)は10日、和歌山市小松原通の県民文化会館で建設資金調達を目的にした初めての講演会「手と手の和」を開き、304人が集まり講演を楽しんだ。
講師は戦場カメラマンとして活躍している渡部陽一さん(41)。1週間前にアフガニスタンやウクライナの取材から帰国したという渡部さんは、独特なスローペースの語り口で戦争の悲惨さや犠牲になるのはいつも子どもだと訴え、平和な世界の実現を呼び掛けた。
この日、多くの聴覚に障害がある人も参加していたこともあり、渡部さんは大きなジェスチャーを交えながら表情豊かにトーク。その様子は、手話と筆記通訳者の同時通訳で進行し、会場にもユーモアが伝わり笑い声が絶えないほど好評だった。
イベント責任者の馬場正義さん(70)は「聴覚障害がある高齢者も年々増えている。施設建設実現に向けて今後も活動を続けていく」と話していた。