【AR】女子が初の宣誓 市学童野球
第44回和歌山市軟式野球連盟学童部秋季大会・第25回和歌山セキスイハイム杯大会(香山正人大会会長)が、12日開幕した。紀三井寺公園野球場で行われた開会式は、参加36クラブ848人の元気いっぱいの入場行進から始まり、女子初の選手宣誓を務めた太田の前田凛々子主将は、御嶽山噴火や広島の豪雨の被害者に心を痛めながらも、今、野球ができることへの感謝を込め、多くの人に感動を与えられる試合を約束。はつらつとした言葉の一つ一つが、球児たちの思いを伝え、熱戦の火ぶたが切られた。
今大会は、市全体として戦う今季最後のビッグイベントでもあり、スタンドには多くの保護者が駆け付け、市内各小学校の校長、教頭らが見守る中、前回A級優勝の貴志を先頭に、36クラブが入場行進。大きめのユニホーム姿もかわいい低学年から、たくましく成長した6年生まで力強い足音が、グラウンドに響いた。
香山大会会長は「主役である選手の皆さんは、暑い夏、汗を流し練習した成果が発揮できるとワクワクして今日を迎えたと思う。堂々の行進が示したチームワークで、心に残る試合を期待します」とエールを送った。
半世紀近い歴史を誇る大会で、初めて女子の選手宣誓に臨んだ太田の前田主将は、野球が大好きで幼稚園児の頃から白球に親しみ、チームでは遊撃手、投手としてナインをまとめ、攻守にわたる牽引役として活躍している。全チームのプラカードをバックに、右手を高々と上げた前田主将は、野球から学んだ『思いやり』『努力』『感謝』を挙げ、主催者、指導者、家族を含め「お父さん、お母さん本当にありがとうございます」と礼を述べた後「3年前の東日本大震災や紀伊半島大水害、ことし起こった御嶽山の噴火、広島をはじめ各地で豪雨や台風被害が相次ぎ、災害で亡くなられたり、ケガをされた方が多くいます。そんな中で、野球ができる喜びを仲間と共にかみしめ、最後まで諦めず、夢と希望に向かって全力を尽くし、野球を通して私たちは楽しい思い出を、皆さんには素晴らしい感動を与えることを約束いたします」と言葉を確かめるように、はっきりした口調で述べた。
6年生にとっては、最後の市大会でもあり、チームメートと共に健闘を誓い合い、各試合会場へ急ぐナインも多かった。各クラスの決勝は11月2日(予備3日)で、3週間にわたる戦いがスタートした。
〈初日の結果〉
【A級】1回戦=鳴滝6―5今福吹上▽名草6―1野崎福島▽貴志6―1新南大新
【C級】1回戦=雄湊11―0野崎西▽名草4―2宮▽和歌浦Ⅰ4―1西脇▽紀伊8―1中之島▽太田3―2八幡台▽貴志4―3宮前