和戸が成年男子110㍍H優勝 国体陸上

和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場で行われた陸上は5日、成年男子110㍍ハードルで和戸(わど)達哉(25)=県教育庁=が13秒75で優勝。今国体で県勢が陸上種目を制したのは初となり、「チーム和歌山」を勢いづけた。

優勝を決めた和戸は「最高の気分。ひとことでは言い表せないほどうれしい。久し振りに思い切って走れた」と満面に笑みを浮かべた。

岐阜県出身。大学卒業後に和歌山へ来て3年。昨年、一昨年の国体では思うような結果を残せていなかった。

今国体は予選1組を2位で通過し、決勝は「3年間学んだことをぶつけてやろう」と臨んだスタート。勢いよく飛び出し、後半追い上げられたが、粘り強い走りで競り勝った。

「いつもゴールして首をかしげている僕なので、きょうこそはいい走りをしようと思った」。2位との差は、わずか0.01秒。ゴールの瞬間は「いつも後半で喰われる(抜かれる)ことが多いので、2番だったらそれも僕らしいかな、と」とはにかんだ。

電光掲示板で優勝を確認すると、グラウンドにひざまずいて涙ぐみ、くしゃくしゃの笑顔でガッツポーズし、スタンドに応えた。

普段は体育指導員として、高校の部活動のトレーニングコーチなどを務めながら、競技を続けてきた。「子どもたちが見ているところで、がっかりさせるような走りはできないと思った」と笑顔。「これを自信に、少しでも世界に出られるような選手を目指したい」と今後を見据えた。

5日の陸上はこの他、少年男子Aやり投で横堀雅孝(17)=田辺高3年=が66㍍38で4位、少年男子共通5000㍍競歩で井谷鼓(17)=田辺工業高3年=が20分32秒56で6位入賞を果たした。

長崎国体走高跳で優勝し、国体2連覇が期待された井上七海(23)=㈱オークワ=は1㍍69で10位に終わった。

滑らかなハードリングを見せる和戸

滑らかなハードリングを見せる和戸