悲願の天皇杯獲得に「涙止まらず」 知事
紀の国わかやま国体の総合閉会式を終えて記者会見した仁坂吉伸知事は、悲願の天皇杯獲得に「(前日は)涙が流れて止まらず」と喜びの大きさを語り、選手や関係者、県内外の競技開催地、そして県民の協力に感謝の言葉を繰り返した。
仁坂知事は「選手諸君の健闘に感謝。県外開催競技もあり、お世話になった大変多くの方々にお礼を言いたい」と深謝。「団体だけでなく、大勢の個人ボランティアがいたことを誇りに思う」と振り返り、間もなく開幕する「紀の国わかやま大会」に向け、「県民の力を合わせて絆が深まる大会にしたい」とあらためて抱負を語った。
また44年前の黒潮国体と同じく、惜しくも皇后杯を逃したことについては、「天皇杯獲得には、たくさんの女性の活躍があった。皇后杯は実はあんまり、『まぁいいか』と思っている」と笑みをこぼした。
式典開催地の尾花正啓和歌山市長は、「多くの競技を滞りなく終えたのは市民の協力が大きい。岩手県の選手に『和歌山すごく良かった』と言ってもらえたのが印象に残った」。
県選手団の星香里総監督は天皇杯獲得にふれ、「和歌山の子どもたちに夢を与えたいと、心一つに取り組んできたことが実を結んだ」と安堵の表情を見せた。
次期開催地の達増(たっそ)拓也岩手県知事は、「総合開会式の式典前演技は和歌山の歴史文化を感じ、熱烈な応援、おもてなしも素晴らしいと感じた」と今国体の印象を話し、第71回国体「希望郷いわて国体」に向けては「(復興支援への)感謝の気持ちを伝えられるよう、オール岩手で準備に総力を挙げている。東北の姿を、復興の状況をご覧いただきたい」と語った。