冬はこたつで団らんを 県が節電アクション

 県は、昨冬と同じ平成22年度比9%減の節電の着実な実施を目指す「わかやま冬の節電アクションプラン」を発表した。家庭に向けては、電気使用のピークとなる夕刻以降、一部屋でこたつを囲んで家族で団らんしながら節電に取り組む「家族で団らん こたつでみかん」に協力を呼び掛ける。

 県によると、今冬も関西電力管内の電力需給は厳しい状況が予測されている。電力の供給は原子力による発電がない場合を想定し、火力発電所の設備更新や定期点検の繰り延べなどで2579万㌔㍗を確保している。

 一方、需要については定着した節電を見込んだ上で2496万㌔㍗となっており、予備率は安定供給に最低限必要とされる3・0%以上確保している。

 需要が高まる日に出力が大きい火力発電所のトラブルが重なるなどした場合、電力需給のひっ迫を招く可能性がある。

 アクションプランの実施期間は、12月1日から来年3月31日までの平日(年末年始12月29日から1月3日を除く)、午前9時から午後9時まで。

 家庭には、重ね着などでエアコンの室温を20度に設定▽こまめな消灯▽テレビの省エネモード設定とこまめな電源オフ▽冷蔵庫の温度設定「弱」▽待機電力のカット(プラグを抜く)―などの取り組みを求める。

 家庭を対象とした契約(従量電灯A)で、平均的な月の電気使用量300㌔㍗時で計算すると、ことし12月の電気料金は東日本大震災前の平成22年12月と比べて1631円値上げしている。節電期間中に9%の節電を行うと、4カ月間で3188円節約できる計算になる。

 工場や事業所に向けては、エアコンの室温19度設定▽使用していないエリアの暖房停止、こまめな消灯▽OA機器の省エネモード設定▽ガス石油を使った暖房器具の利用▽省エネ性能の高い機器への入れ替え――などの取り組みを求める。

 事務所・ビルなどを対象とした契約(高圧電力AL)で契約電力820㌔㍗、月間23万㌔㍗時で計算すると、ことし12月の電気料金は22年12月と比べて約143万円値上げしており、4カ月間9%節電に取り組むことで136万3716円のコストカットになるという。

 県庁では、廊下の照明の50%程度消灯▽昼休憩時、離席時にパソコン画面を閉じる▽室温19度以下の徹底――などで22年度冬比10%以上の可能な限りの節電に取り組む。

 仁坂吉伸知事は「業者には節電をうまくやることで効率的な経営をしてもらいたい。できるだけ多くの企業に県職員が行って節電の様子を聞いてくる、ということも考えている」と話した。

プランを発表し、節電を呼び掛ける仁坂知事

プランを発表し、節電を呼び掛ける仁坂知事