水墨画に親しんで 小川さん湊小に作品寄贈
和歌山市の水墨画家、小川華瓣(かよ)さん(68)が、市立湊小学校(中村典弘校長)に水墨画「霧の籬(まがき)」を寄贈した。8日、同校で寄贈式と小川さんによる水墨画教室が開かれた。
小川さんは現在、県水墨画協会会長を務め、華水会を主宰。平成14年に市文化功労賞、26年に市文化賞を受賞するなど数々の受賞歴があり、15年には中国済南市済南画院名誉院長、山東省山東画院から名誉画師の称号を授与されている。
湊小への作品寄贈は、中村校長が同協会メンバーである縁から。中村校長が3月に定年退職を迎えるのに合わせての寄贈となった。
体育館で行われた寄贈式には、同協会顧問の尾花正啓市長や原一起市教育長らが出席し、同校児童が集まった。
寄贈された水墨画は、大きさが縦163㌢×横194㌢。霧が立ちこめる森の中で2匹のキツネが寄り添っている様子が描かれ、校長室前に展示される。
尾花市長と原教育長が作品を除幕。中村校長は「寄贈いただいた絵は、これからも湊小学校を見守ってくれる。児童一人ひとりの感性が高まる」と感謝し、尾花市長は「いろいろな表現ができる水墨画を見て、子どもたちが芸術の面白さに興味を持ってほしい」と話した。
小川さんは作品について「面白いなと感じてほしい。今の子どもたちは機械に囲まれているので、この水墨画が自然の変化に気付くきっかけになってほしい」と期待している。
この日は小川さんによる水墨画の実演もあり、児童が出す題材を即興で和紙に描き上げる「席画」を披露。児童は和歌山城や龍、達磨(だるま)といった題材を要望し、小川さんが素早く描き上げていく様子に驚きながら見入っていた。
その後の水墨画教室では、5、6年生約50人が、小川さんの指導を受けながら、ダイコンやイチゴ、竹など身近な題材を自由に選び、楽しみながら描き上げていた。