紀三井寺公園に御製碑 国体実行委が解散
昨年9月26日の紀の国わかやま国体総合開会式に臨席された天皇陛下の短歌「御製(ぎょせい)」の石碑が完成し22日、和歌山市の紀三井寺公園で除幕式があり、約100人が祝った。この日は、同国体・大会実行委員会の最後の総会が同市のホテルアバローム紀の国で開かれ、委員会の解散などが承認され、準備委員会を含めて9年間の役割を終えた。
石碑に刻まれた短歌は「作られし 鯨もいでて 汐を吹く 集団演技もて 国体開く」。大型のクジラの模型が潮を吹くなどの演出で華やかに開会した場面を詠まれたもの。
揮毫(きごう)したのは紀央館高校1年で書道部の原彩花さん(15)。7月に広島県で開かれる「第40回全国高校総合文化祭」書道の部の県代表4人から選ばれた。原さんは「石碑に合うように、曲線が柔らかい印象になるように考えました」と工夫した点を話した。
実行委員会総会には、県や県議会、各競技団体の関係者ら約200人が出席。仁坂吉伸知事は「国体で培われた熱意を忘れてはいけない」などと、今後の県のスポーツ振興への思いを述べた。
議案では、同委員会の本年度の予算総額を43億7943万円とする最終の補正案が承認された他、両大会に寄せられた「きいちゃん募金」の合計額が4億4872万円(目標額4億円)に上ったことが報告された。
県国体推進局によると、平成18年度に国体準備室を設置してから10年間の県の投資額合計は、運営費86億円、施設整備費223億円、競技力向上費36億円の計345億円。市町村では、運営費42億円、施設整備費137億円が投資され、全体の合計額は524億円となった。
参加者数は、選手、監督、大会関係者、観覧者を合わせて、国体が延べ67万人、大会が延べ8万人だった。