富田さん初の父子V達成 西日本実業団相撲

 第46回西日本実業団相撲選手権大会が、このほど大阪府堺市・大浜相撲場で開かれ、和歌山県庁の富田有輝選手(31)が、個人戦を制し、かつて3連覇を含む4回の優勝を飾った父・忠典さん(故人)とともに大会初の父子Vを達成した。

 5月の第27回全国選抜大学・社会人対抗九州大会での個人戦初優勝に続く、今季二つ目のビッグタイトルで、絶好調の秘訣(ひけつ)は、県庁相撲部の主将となり責任が増したことや家族の支え、相撲部に新鋭が加わり、個人戦に主に取り組めることなどを挙げながら富田(有)選手は、自然体で土俵に臨めるのが最大の要因だと、大会を振り返った。

 これまでは、取り組みの前に意気込み過ぎて、体が思うように動かなかった苦い経験もあり、今は笑みさえ浮かべ、気持ちにゆとりもある。リラックスした体の動きは抜群で、「左の上手を取れば誰にも負けない」と言われた実力が発揮され、西日本大会でも初戦、2回戦といずれも寄り切りで快勝、準決勝では中村淳一郎選手(アイシン軽金属)を上手投げで破り、決勝は由留部圭祐選手(西予市役所)を寄り倒しで下した。

 富田(有)選手の身長185㌢、体重150㌔の体は長年重ねてきた厳しい一戦一戦と錬成に、満身創痍(そうい)だが、自分らしさを大切に、自然体で挑む全日本選手権(年末)での活躍が期待される。

決勝で由留部選手と激突

決勝で由留部選手と激突