海南市と雇用対策一体的に 労働局が初の協定

和歌山県海南市と和歌山労働局は4日、雇用・労働環境の改善に連携して取り組む内容の「雇用対策協定」を締結した。同協定に基づく連携拠点として、11月6日に市役所新庁舎内に「ハローワークかいなん就職支援センター(ワークサロンかいなん)」を開設する。同局と自治体による包括的な雇用対策協定と連携拠点施設の設置はいずれも県内初。

同協定に基づき、同市とハローワークは、若年者への就職支援、移住・定住希望者や子育て中の女性、生活保護受給者らの就職支援などを一体的に実施する。

両者の取り組みの一体的実施施設となる「ワークサロンかいなん」は、11月6日に開庁する市役所新庁舎5階に設置され、約40平方㍍の施設となる。

従来、就労関係の生活相談で市役所を訪れた人は改めてハローワークに出向く必要があったが、今回のワークサロン創設により、生活相談と就労相談のサービスがワンストップで受けられるようになり、利用者に大きなメリットがあるとしている。

協定締結式は市役所で行われ、神出政巳市長、松淵厚樹和歌山労働局長が出席し、協定書にサインを交わした。

神出市長は、若年層が市外に流出する状況に歯止めがかからない中、安定した雇用の創出や子育て環境の充実を図ろうと、平成28年2月に「海南市総合戦略」を策定しことにふれ、「新庁舎内に連携拠点として『ワークサロンかいなん』を開設できることは、雇用対策において大変心強い」と期待を話した。

松淵局長は、ワークサロンの創設について「場所の利便性が高まるだけでなく、施策についても市と一体的に行っていきたい」と力を込めた。

協定書を手にする神出市長㊧と松淵局長

協定書を手にする神出市長㊧と松淵局長