和歌山市の2人感染 男性は大阪のクラブ滞在

和歌山県は2日、和歌山市在住の20代無職の女性と60代自営業男性が新型コロナウイルスに感染したと発表した。いずれも大阪市内で感染した可能性が高いとみられている。県内の感染者数は累計21人となった。

県と市によると女性は3月23~27日、大阪市内の親戚宅に滞在。同市の人が多く集まる場所にも行っていたという。29日に頭痛と鼻汁があり、翌日には37・6度の発熱やせき、嘔吐、関節痛なども表れ医療機関を受診。31日には別の医療機関を受診して検体を採取し、1日にウイルス検査の結果陽性が判明した。現在病状は安定しており、医療機関に入院する。和歌山市内で同居している家族2人に症状は見られないという。

60代男性は3月23日、すでに感染者が確認されている大阪市北区のクラブを親族1人と共に訪れていた。26日に関節の筋肉痛が表われ翌日には37・5度の発熱や全身の倦怠感が出た。30日からは味覚に異常を感じ、31日に医療機関を受診してCTを撮影したところ肺炎像が確認され、4月1日にウイルス検査で陽性が判明した。現在病状は安定しており、医療機関に入院する。

男性の自宅は住居兼事務所で、同居の家族2人と、事務所内の親族3人、従業員3人の計8人を濃厚接触者として検査する。8人中4人に発熱があり、うち2人は37・5度を超えている。

仁坂吉伸知事は2日午前に県庁で記者会見し、2人の感染について「大阪は和歌山に比べると結構流行していると思う。大阪で感染した可能性が高いのでは」との見方を示し、和歌山―大阪間の往来について「遊びに行くのは少し後にしてほしい。大阪もそのように望んでいると思う」と述べた。

外出時は行動記録を 市が疫学調査を増員

和歌山市の尾花正啓市長も2日、大阪などの大都市や人が多く集まる場所への不要不急の外出を控えるよう求め、もし感染した場合に経路などの調査が迅速に行えるよう、外出時には行動記録を取るよう呼び掛けた。

また、市対策本部会議で、これまで3チーム6人で行っていた疫学調査の増員を決め、2日付で10人に緊急的に人事発令し、計8チーム16人の体制とした。

今後、新型コロナウイルス対策を全庁体制で強化するため、市の業務の一部休止も検討する。

新学期が迫る学校については、尾花市長は「市内は感染がまん延している状況ではまだなく、再開できると思っている」と述べ、現時点では再開の方針に変わりはないとした。

和歌山市の対策本部会議に臨む尾花市長(中央)