3月の景況が震災後の水準に コロナ影響で
帝国データバンクによる3月の景気動向調査で、企業の景況感を示す景気動向指数(DI)は全国で前月比6・2減の32・5となり、6カ月連続の悪化、2002年5月の調査開始以降、最大の下落幅を記録した。県内DIも同6・3ポイント減の33・9で、同様の落ち込みとなっている。国内景気は後退局面の中、新型コロナウイルスによる影響が拡大し、東日本大震災後の水準まで低下しており、さらに後退が続くとみられる。
全国のDIは調査開始以来初めて、全10業界・51業種が悪化、23業種で過去最大の下落幅となり、「飲食店」「旅館・ホテル」「娯楽サービス」「繊維・繊維製品・服飾品卸売」の4業種で過去最低を記録した。
業界別では、「サービス」が35・3(前月比9・8ポイント減)、「小売」が26・7(同7・4ポイント減)、「金融」が33・3(同8・9ポイント減)、「不動産」が31・6(同10・4ポイント減)などで下落幅が大きい。
和歌山県内DIの全国順位は前月の10位から16位に低下したが、近畿2府4県では9カ月連続のトップを維持。全国のDIを1・4ポイント、近畿のDIを3・5ポイント上回っているものの、差は縮小している。
規模別では、大企業は30・6(前月比16・1ポイント減)、中小企業は34・2(同5・3ポイント減)でともに悪化。業界別でも、製造業が31・6(同3・8ポイント減)、非製造業が34・8(同7・3ポイント減)と悪化しており、特に「運輸・倉庫」の落ち込みが目立つ。
先行きの見通しは3カ月後が29・1(前月40・5)、6カ月後が33・1(同38・7)、1年後は37・6(同38・4)で、3カ月後の短期の予想が最も厳しくなっている。
同支店は、企業の多くが新型コロナウイルスの影響が短期間で終息する期待は薄いと予想し、一段と悪化することを見込んでいることから「県内景況は当面悪化が続く」とみている。
調査は3月17~31日にインターネットで行い、対象2万3676社(県内117社)のうち1万1330社(同63社)が応じ、回答率は47・9%(同53・8%)だった。