感染拡大で保健所増強 和歌山市が90人体制

和歌山市は21日、新型コロナウイルスの新規感染者数が昨年末から急増していることを受け、感染者の行動履歴や濃厚接触者の健康状態の調査などに当たっている保健所の職員を約90人体制に増強したと明らかにした。尾花正啓市長は「職員は過重な労働を強いられている。保健体制はこれからも補強し続け、維持していかなければいけない。何とか今ここで踏みとどまらなければ」と話している。

市内は昨年12月30日から1月20日まで、新規感染者が連日4~15人確認され、うち10人以上の日が14日ある。感染状況に関する政府の6指標のうち、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、同日現在で過去最多の23・9人に達し、最も深刻な「ステージ4」の基準となる25人以上に近づいている。

市保健所の体制はこれまで、職員24人(うち保健師5人)を中心に他部署からの応援を加えて業務に取り組んできたが、昨年末以降の感染再拡大を受け、県からの応援5人を含めさらに増員し、約90人(同約40人)体制に増強した。

尾花市長は21日の定例記者会見で、年末年始に大都市部から流入した若者の活動を中心に感染が増え、中高年にも拡大しているとの認識を示し、市民に対し、感染拡大地域への不要不急の外出を控えることや、マスクの着用、換気などの基本的な感染予防を徹底することを改めて呼び掛けた。

また、ワクチンについて、市内28カ所程度の医療機関で接種を行う見通しだとし、政府の方針通りに3月下旬に65歳以上の高齢者への優先的な接種が開始できれば、市内の対象者約11万人には1カ月強で接種を進める考えを示した。

市民に改めて感染防止対策を呼び掛ける尾花市長

市民に改めて感染防止対策を呼び掛ける尾花市長