人力車やアート巡り みその商店街でGoTo

政府の商店街支援策「GoTo商店街」に採択されたみその商店街(和歌山県和歌山市美園町)に20日、開催予定イベントに携わる人力車の車夫で同市出身の北原美希さん(38)が訪れ、関係者と構想を練った。「GoTo商店街」は緊急事態宣言を受け、2月7日まで集客を伴うイベントを全国一斉に一時停止。新型コロナウイルス感染症収束を願い、北原さんは「目線が高くなりいつもと違った景色を楽しめる人力車で、新たな発見をしてもらいたい」と話している。

この日、みその商店街協同組合の石垣泰伸理事長と、一般財団法人和歌山まちづくり財団の島英雄副理事長が北原さんを出迎えた。

50年以上の歴史を持つ同商店街では、「LINEでつながる商店街みその・駅前わくわくフェスティバル」を開催予定。駅前通商店街を含む周辺エリアでアート巡りをしながら、地元産品が当たるオンラインスタンプラリーを計画している。石垣理事長は「人力車というアナログなコミュニケーションで商店街を回ることが、商店街の良さを伝えるきっかけになれば」と期待する。

イベントに関わる北原さんは2013年に車夫デビュー。脳梗塞の治療や心臓の手術を乗り越え、現在は三重県伊勢市を拠点に人力車を引いている。「子どもの頃の楽しみは、かつてみその商店街にあったグリーンコーナーでグリーンソフトを食べることだった」と懐かしみ、「祖母とよく訪れた場所を盛り上げる一助になればうれしい」と笑顔。

「人力車にじいろ」の屋号で活動しており「人力車の魅力は人との壁が一瞬にしてなくなるところ。乗るときは不安がっていた人も笑顔になってくれる。地元、和歌山の方たちにも人と人とをつなぐ人力車を楽しんでもらいたい」とイベントを心待ちにしている。

「GoTo」開催を心待ちにする(左から)島副理事長、北原さん、石垣理事長

「GoTo」開催を心待ちにする(左から)島副理事長、北原さん、石垣理事長