クラスター2件 デルタ株で感染者増の危険
和歌山県は6日、県内で幼児から70代の30人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。東海地方で開かれた水泳の全国大会に出場した遠征チームの選手やコーチの感染が計6人、有田市の工事現場の作業員の感染が計5人となり、66、67例目のクラスター(感染者集団)に認定された。いずれもデルタ変異株によるものとみられている。
30人の保健所管内別内訳は、和歌山市9人、海南1人、岩出7人、湯浅6人、御坊2人、新宮3人、県外2人。1人が重症となっている。
クラスターになった遠征チームは県内2カ所のスポーツクラブの所属者からなり、選手の小学生4人とコーチら2人。7月下旬に東海地方での大会に参加した際、食事やバス移動などに同行した県外の人に症状があったとみられる。
工事現場のクラスターは、複数の企業の作業員からなる。同じ現場にいた県外の人が熱中症のような症状となり、その後に新型コロナ陽性と判明。作業員らが自主的に検査を申し出、クラスターになっていることが分かった。
発表済みのクラスターでは、新宮市のスナック関連の陽性者が2人増え、計29人。和歌山市の食肉加工業の管理部門関連でも2人増え、計13人となった。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は県全体で25・3人、保健所管内別では最も多い新宮が67・3人、次いで湯浅が38・6人、和歌山市が26・4人で、依然として爆発的な感染(ステージ4)の目安25人を上回っている。
県内の感染者は累計3171人となっており、入院中の患者は263人(うち重症者17人)、病床使用率は59・8%。変異株スクリーニング検査による陽性者は1224人で、うちデルタ株(インド型)が96人(8人はゲノム解析で確定)となった。
県庁で記者会見した県福祉保健部の野㞍孝子技監は、デルタ株の特徴にふれ、「感染力が強く、家族が一度に感染してしまう例がある。今後置き換わりが進めば、非常に多数の感染者が出る危険性がある」と述べた。