5日時点で2件のみ 今季のインフルエンザ

気温が低く、乾燥しがちな冬に流行することが多い季節性インフルエンザ。和歌山県健康推進課によると、今シーズン県内49カ所の医療機関を対象にした定点観測の患者の報告数は、第48週(11月29日~12月5日)の和歌山市保健所管内と湯浅保健所管内の2件のみ(5日時点)。例年の同時期に比べても少ない件数だという。

インフルエンザ罹患(りかん)者数は、その年で前後はあるものの例年は、この時期から増え始め、流行が本格的になる1月中旬ごろから2月にかけてピークを迎える。

昨年は新型コロナウイルス感染症拡大を受けてマスクの着用、手指消毒などの徹底でインフルエンザの患者数が全国で激減。同課によると、県内でもここ数年で最も少ない報告数で、インフルエンザによる学級閉鎖も0件だったという。

インフルエンザのワクチン接種については、日本感染症学会が、昨シーズンのインフルエンザ罹患者数が極めて少数で、「社会全体の集団免疫が形成されていない」と考えられることから、海外からウイルスが持ち込まれれば大きな流行を引き起こす可能性を懸念しており、今シーズンも「積極的な接種」を呼び掛けている。

和歌山市内のクリニックでは、昨年ほどではないが例年と同様にワクチン接種を希望する問い合わせがあるも、現時点ではワクチンの入荷数が少なく、希望者全員に接種がまだ行き届いていないのが現状だという。

今シーズンの流行の見通しについて同課は「まだどのように推移していくかは分からない」とした上で、「手洗い、うがい、せきエチケットなどの例年通りの感染症対策を行っていただければ」と呼び掛けている。