「楽しい」をテーマに 市高が卒業制作展

和歌山市立和歌山高校(六十谷、栂野作治校長)デザイン表現科3年生の卒業制作展が24日まで、同市の県民文化会館大、中、小、特設展示室で開かれている。

ことしのテーマは「楽しい・ARTと共に」。コロナ禍で休校やリモート授業など、これまでとは違う生活の中で、苦戦しながらも楽しみながらデザインや美術と関わってきた32人の3年間の集大成が並ぶ。

大展示室では、制作者ごとのスペースが設けられ、自画像や絵画、イラストなど個性あふれる作品を楽しめる。毎年同展を訪れているという同市の田中真知子さんは、「ことしも一人ひとりの個性が出ていて、力作ばかりで感動した」と笑顔。

グループでオブジェなどを使って空間を構成するインスタレーション作品の中には、「コロナ禍で閉ざされた希望を集める」をテーマにした神社や、実際に遊べる巨大ジェンガなども展示されている。

また、ACジャパンの新聞広告を参考に、社会問題に関する意見広告も制作。フードロスや海洋プラスチック問題、イヌやネコの殺処分などについて、高校生ならではのストレートな思いをイラストやキャッチコピーなどで訴えている。

同校の田中心那(ここな)さん(17)は、「コロナ禍でほぼ家で作品づくりをしたので、みんなの作品をここで初めて見て、褒め合ってうれしかったし、楽しかった」と話し、「個性豊かで、楽しいをテーマに制作したので、その気持ちを共有してもらえれば」と来場を呼び掛けている。

卒業制作展と同時に1、2年生が授業で取り組んだ作品や同校美術部、書道部、写真部の作品を展示する「市高展」も開催中。午前9時半から午後4時半(24日は正午)まで。

問い合わせは同校(℡073・461・3690)。

個性あふれる力作が並ぶ会場

個性あふれる力作が並ぶ会場