小久保工業所など3社表彰 県女性活躍推進賞

女性の働きやすい職場づくりやキャリアアップ向上などに取り組んだ企業・個人を表彰する本年度の和歌山県女性活躍推進賞に海南市野上新の小久保工業所、和歌山市小雑賀の小西化学工業、白浜町のアワーズが選ばれた。受賞企業の中には女性社員がヒット商品を開発し、売り上げに貢献する相乗効果も表れている。

表彰は、県内に事業所がある企業・団体でつくる女性活躍企業同盟が2017年度に発足したのに合わせて始まった。過去4回で計11社・1個人を表彰。3日に県庁で表彰式があり、仁坂吉伸知事が3社関係者に賞状を授与した。

生活雑貨の製造などを手掛ける小久保工業所は社員63人で女性比率は46%。近年、管理職や企画部門に女性を積極的に登用している。

焼き魚に添える大根おろしを猫の形にできる商品「大根おろしニャン」は女性社員のアイデア。しょうゆをまばらに垂らして模様をつけると、白と茶の毛が混じった猫に見えるのが「インスタ映え」すると人気を博し、ヒット商品となった。

寺嶋達之経営企画室長は「女性比率が高いのは適材適所の配置の結果。女性であっても男性と同等の仕事を十分にこなせている」と強調。育児休業の復帰後の働き方について本人の希望を重視し、働きやすい職場づくりに尽力している点も能力発揮につながっている。

化学メーカーの小西化学工業は昨年10月、課長相当職の女性マネジャーを創業以来初めて登用。男性のみだった営業や人事部門にも女性を配置してきた。「研究部門も有する会社なので実力主義の風土がもともとある。(男性社員も含めて)女性の進出に抵抗はない」(小西弘矩社長)。理系出身の女性を指す「リケジョ」ブームに乗って、今後も女性の採用に力を入れるという。

アワーズは、白浜町のテーマパーク「アドベンチャーワールド」を運営。社員の女性比率は半分以上で、4年前に企業内保育園を開いたり、男性の育児休業にも積極的に取り組んだりしたことが評価された。

仁坂知事(前列右から2人目)と一緒に記念撮影する受賞者たち

仁坂知事(前列右から2人目)と一緒に記念撮影する受賞者たち