新水産棟が4月1日開場 和市中央卸売市場
和歌山市西浜の市中央卸売市場の新しい水産棟が来月1日に開場する。国の補助金を活用して進めていた市場の再整備事業の第2弾。開場に先立って30日に記念式典があり、尾花正啓市長らが新棟の完成を祝った。
新水産棟は建築面積約5825平方㍍。鉄骨2階建てで、延床面積は約7984平方㍍。広い競り会場と、水産物を買い付ける卸売業者1社と、仲卸業者26社の商品を保管する作業場兼店舗(1階)と事務所(2階)などが入る。一般市民の立ち入りはできない。
水産物の鮮度や衛生面などを考慮し、棟内は空調により一定温度に保持されるのが特長。また、全体の建物を「閉鎖型施設」にしたことで、棟全体が夏場に気温が上昇することも防げる工夫も施した。
また、荷卸しや積み込みなどの作業が効率的にできるように、競り会場の近くに各社のスペースを配置。災害発生時においても市場機能を維持させるため高レベルの耐震性能も備えた。
式典には市や市場関係者ら約100人が出席。尾花市長は「安心・安全で、新鮮な食料品が届けられ、今後は海外への販路拡大も期待できる施設になった」とあいさつ。市中央卸売市場協会の岸泰宏会長は品質、衛生管理ができる棟が開場することに「心より感謝し、一層精進していきたい」と語った。
市中央卸売市場は1974年に開設され、建物の老朽化が大きな課題だった。市は2017年度から、近代的で機能性に優れた施設にするための再整備事業を進めていた。2年前には第1弾として、一般市民も利用できる飲食店や食料品店などが入った総合食品センター棟「わかやままるしぇ」がオープン。今回の新水産棟の完成に続き、23年度からは青果棟の工事が始まり、25年度までに再整備事業が完了する予定。
嶋本多佳彦市場長は「市民の台所として安心、安全な施設になるように心掛け、新規の取り扱いも今後増えることを期待している」と話した。