受賞者2人の演奏も 大桑財団奨励賞表彰式

公益財団法人大桑教育文化振興財団は、本年度の文化奨励賞に選ばれた和歌山市のピアニスト・千田和美さん(55)と海南市出身のバイオリニスト・池原衣美さん(50)の2人の表彰式と、文化、教育、スポーツ活動に対する援助金の目録贈呈式を22日、和歌山市のホテルアバローム紀の国で行った。

同財団は㈱オークワの創業者の故・大桑勇氏が1993年に設立。文化や芸術の分野で優れた活動に取り組む県ゆかりの人に贈る同奨励賞をはじめ、毎年、大学生や高校スポーツ選手への奨学金給付、学校図書の寄贈など、文化やスポーツ、教育に関わる活動の援助を続けている。これまでに同財団が寄贈と援助した額は、合計9億6000万円余りになっている。

式典で、同財団の大桑弘嗣理事長は「これからも地域社会に貢献できる活動を続けていきたい」とあいさつ。本年度の受賞者、援助対象者の取り組みをたたえ、賞状や目録を手渡した。

奨励賞に輝いた千田さんと池原さんの2人は、小さい頃からクラシック音楽を聴く習慣をつけてほしいと、県内の小学校で演奏を披露する活動を行っている。

千田さんは「和歌山にもっと文化を広げたい」と活動のきっかけを話し、「演奏会では子どもたちからも発言が出てきて、感動する。こつこつとできるだけ全校を回りたい」と力を込め、池原さんは「音楽は難しいものではなく、音の中に風景や人の感情、色などが含まれている。そういうものを感じ取る力を子どもの頃から培えば、大人になって豊かな人生を遅れるのではと信じてこの活動を続けていきたい」と話していた。

この後2人は、演奏を披露。シューマンのバイオリンソナタ第2番第1楽章を奏でると、会場からは大きな拍手が送られた。

演奏を披露する、千田さんと池原さん

演奏を披露する、千田さんと池原さん