地域課題解決や人材交流 県と東大が協定

東京大学と和歌山県は、県が抱える地域課題の解決や活力ある地域社会の形成への寄与を目的に、包括連携協定を締結した。東大が都道府県と包括連携協定を結ぶのは、三重、福島についで3県目。

東大は、生産技術研究所が和歌山市と、先端科学技術研究センターが高野山と協定を結ぶなど、これまでに県内各地で個別の連携が進んでおり、さらに全県的な連携へと発展することになった。

今回の協定に基づき、東大は、県を中心とした周辺地域の文化・歴史・自然を究明し、地域課題の解決に向けた学術研究を推進する他、県や市町村から示された課題に対し、学生が県内でフィールドスタディーを行い、解決への道筋を提案するなど、人材の交流、育成面などでも県と連携する。

締結式は県庁知事室と東大をオンラインで結んで実施し、仁坂吉伸知事と藤井輝夫総長が協定書に署名した。知事室には同センターの神﨑亮平教授らが訪れ、オンライン出席の藤井総長らを交えて、仁坂知事と意見交換も行った。

藤井総長は「協定を機にいっそう連携を深め、学知を共有することで地域の新しい社会像を考え、課題解決の道しるべを一緒に探していきたい」と述べた。

協定書を手にする仁坂知事(中央)、藤井総長(画面内右端)ら

協定書を手にする仁坂知事(中央)、藤井総長(画面内右端)ら