森林保全へ「戻り苗」 きのくに信金に設置

きのくに信用金庫(和歌山市本町、田谷節朗理事長)は、オフィス内でドングリの苗木を育て、山に植林して森林保全に役立てる取り組みを始めた。「『戻り苗』MODRINAE」と名付けられた苗木の棚を、㈱ソマノベース(田辺市新屋敷町)から購入し、24鉢を本店に隣接する新別館1階に設置。1年後に田辺市内に植林する。

同金庫は、2020年に「きのくにSDGs宣言」を表明。「地域社会の環境保全」につながる活動からも、「夢をかなえるお手伝い」を目指している。30周年を機に、紀州材の活用などにも取り組んでおり、今回の苗の導入もSDGs活動の一環。

4月28日には、同金庫の岩橋儀幸専務理事とソマノベースの奥川季花(ときか)代表が、設置の経緯や今後のSDGs活動などについて対談した。

岩橋専務理事は苗木の育成をきっかけに、今後もSDGs活動を広げていくとし、「SDGsの取り組みを行っているが、課題を持っている人も多い。何かあれば同社に相談してくれる人を増やし、悩み解決のツールを、さまざまなところと連携しながら、地域社会をつくり上げていきたい」と話した。

奥川代表は那智勝浦町出身。高校時代に経験した紀伊半島大水害をきっかけに、林業を通して土砂災害リスクを減らしたいとの思いから、山に関わるきっかけづくりを目指しているという。

対談を終えた奥川代表㊧と岩橋専務理事

対談を終えた奥川代表㊧と岩橋専務理事