友ケ島灯台に300人 3年ぶり一般公開
和歌山市加太の友ヶ島にある灯台が28日、一般公開され、およそ300人の観光客でにぎわった。
和歌山海上保安部航路標識の役割などを通じて、海上保安業務の理解を深めてもらおうと年2回行ってきたが、新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催。
この日、加太港を出発する船を1日6便に増便。朝9時に出発する船は満員となった。
友ケ島灯台は明治初期に建設され、ことしで151年を迎える洋式灯台。海上保安庁の灯台の中では最古参クラスで、近代化産業遺産、国の登録有形文化遺産に推定されている。
歴代の光源となる灯器や回転装置などは代替わりしているが、建築物の佇まいは大きな変貌を遂げることなく今も海の道しるべとして多くの船舶の安全に寄与している。
灯台内部は急な階段や突起物などがあるため、安全上の観点から普段見ることはできないが、この日は安全管理のため職員を要所に配置し実施。入り口には昔使っていたレンズ、回転装置の展示があり、どのように使っていたかを職員が解説した。
灯台の上から360度の大パノラマを見ることができ、その絶景に来場者は「すごい!」と声を上げていた。
1時間待って灯台に上ったという海南市から来た坂上和也さん(67)まゆみさん(67)夫妻は「めちゃくちゃきれいで驚いた」と感動の様子。
約2時間歩き、友ヶ島を観光したという大阪府堺市の近藤美知子さん(82)は「友ヶ島に来たことはあるけど灯台は初めて。疲れたけど素晴らしい景色に癒やされた」と笑顔だった。次は11月に一般公開を予定している。