災害時に炊き出し 和歌山市と信濃路が協定

そば・うどんを中心に和食専門店を展開する㈱信濃路(和歌山市松島)と市は19日、災害時に炊き出しの実施で協力する協定を締結した。食料品提供などの協定はこれまでもあったが、炊き出しの実施を内容とする災害協定は市内初。

大規模災害時は備蓄食料や支援物資により食料を確保するが、インスタント食品などが多くなり、栄養価が偏ることや、温かい食事の提供が難しいことなどが懸念される。

今回の協定には、災害により甚大な被害が発生した場合や発生の恐れがある場合に、避難所や信濃路の店舗駐車場などで炊き出しを実施する他、他の支援者が避難所などで行う炊き出しの支援、調達可能な弁当や食材、炊き出しの資機材の供給が含まれる。

締結式は市役所で行われ、同社から西平都紀子会長、冷水康浩社長が出席し、尾花正啓市長と西平会長が協定書に署名。尾花市長は、災害協定の締結事業所であることを示す認定プレートを贈った。

尾花市長は「多くの人が避難所に入れば、温かい食事の提供はなかなかできないことなので、本当にありがたい」と感謝。西平会長は、阪神淡路大震災の被災地で炊き出しを行ったことや、能登半島地震の被災地でも炊き出しを予定していることにふれ、「和歌山の皆さんに育てていただき、地域に必要とされる店舗になろうと言い続けてきた。できる限り、皆さんに喜んでいただける支援をしていきたい」と話した。

認定プレートを手に西平会長㊧と尾花市長

認定プレートを手に西平会長㊧と尾花市長