諦めず挑戦続ける カイロス打ち上げ失敗

カイロス初号機の打ち上げ失敗を受け、スペースワンは13日午後2時から、和歌山県那智勝浦町のホテルで記者会見を開いた。豊田正和社長は「期待に応えられず大変申し訳ない」と陳謝した上で、自身を本部長とする対策本部を立ち上げて早急に原因を究明し、再発防止策を明らかにすると表明。「諦めることなく挑戦を続け、ミッションを達成することこそが、本当の意味での地域貢献と考えている」と述べた。

初号機は発射から5秒後、高度100㍍に満たない段階で、機体に組み込まれた自律飛行安全システムの作動により飛行を中断。機体の爆破に至ったと考えられるが、システムが飛行中断を判断した原因は不明。同社は今後、5秒間の飛行データの分析などにより、原因究明を進めるとしている。

爆発した機体は全てスペースポート紀伊の敷地内に落下し、敷地内で発生した火災もすでに鎮火。第三者への被害はなく、スタッフへの被害もなかったという。

2020年代後半に年20回、2030年代には年30回の打ち上げを目標とする同社の計画への影響について豊田社長は、「計画を変えるつもりはない」と明言。「私どもは失敗という言葉は使わない。一つひとつの試みの中に新しいデータがあり、経験があり、全て新しい挑戦への糧と考えている」と述べ、計画実現への挑戦を続けることを強調した。

記者会見する豊田社長

記者会見する豊田社長