「しんどさが楽しかった」 りら高で卒業式

和歌山県紀美野町真国宮のりら創造芸術高校(山上範子校長)で16日、卒業式が行われ15期生18人が次なるステージに向け巣立った。

同校は、一般教養科目などの基礎課程の他、ダンスや舞台、美術表現などの芸術が学べ、1~3年生57人が通う。

式には、保護者や在校生らが参加。卒業生一人ひとりが山上校長から同町の「手漉(す)き和紙工房あせりな」で作った和紙の卒業証書を手渡しで受け取り、メッセージをもらった。

卒業生もそれぞれあいさつ。伊藤羽心(わこ)さんは「入学した時はこのメンバーで一緒に過ごせるか不安だったけど、明日からが不安になるくらい、15期生はかけがえのない存在になった。3年間つらいことの方が多くしんどかったけど、そのしんどさが楽しくて幸せでした。これからも前に進んでいきます」と涙を流し、決意を述べた。

山上校長は、みんなで一つのものをつくるという大きい目標に、一人ひとりが挑戦して自分の役割を理解して乗り越えたと振り返り、「りらで3年という濃い時間を共に過ごしたことがベースになる。あなたたちはどこへ行っても大丈夫。いつでもエネルギーを得に帰ってきてください。ここからが出発、いってらっしゃい」とエールを送った。

式では、卒業生の3年間の歩みをまとめた映像が映し出された他、在校生による発表や送辞があり、新たな門出を祝った。

涙しながら手紙で感謝を伝える伊藤さん

涙しながら手紙で感謝を伝える伊藤さん