「しぶとい警察」へ 野本県警本部長が就任
和歌山県警の野本靖之本部長(55)は11日、県警本部で就任記者会見を行い、「社会の情勢変化の速さに合わせて警察も変わり続ける必要がある。それに耐えられる足腰の強い組織、しぶとい警察を目指したい」などと抱負を語り、特にサイバー犯罪や特殊詐欺への対策、能登半島地震を受けて防災対策の見直しなどに取り組む姿勢を示した。
野本氏は東京都出身で、横浜国立大学工学部を卒業し、1991年に警察庁に入庁。警察大学校付属警察情報通信学校教授、関東管区警察局茨城県情報通信部長、警察庁サイバー警察局情報技術解析課長などを歴任し、今月4日付で県警本部長に就任した。
野本氏は会見で、大学進学時に法律の道かエンジニアの道かに悩んだ末に工学部に進学し、大学卒業時には、「社会正義の実現に資する仕事を」と考え、技術系公務員で警察庁に進むことを選んだと紹介。2002年の日韓共催サッカーワールドカップや東京五輪でのサイバーセキュリティー対策などを担当した。
目指す「しぶとい警察」の意味を問われると、「職員の強さだけを求め、個人の負担が大きくなり、長続きしない状況をつくってはいけない。何かあれば周囲がフォローし、いろんな部署が知恵を出し合い、自然と組織の総力戦が組み立てられるような組織を『しぶとい』と表現している」と説明した。
和歌山との縁については、学生時代に三重県側から海岸沿いを通って大阪府へ移動するバイク旅をしたことを挙げ、今後は県内各地で名所や名産を体験したいと話した。