近畿が梅雨入り 各地でアジサイ鮮やかに
大阪管区気象台は21日、「近畿地方は梅雨入りしたとみられる」と発表した。近畿地方の梅雨入りは、昨年(5月29日)より23日、平年(6月6日)より15日、いずれも遅い。
各地では梅雨入りを待ちわびたアジサイが一層鮮やかに咲き誇っている。
和歌山市深山の市森林公園では約8000株のアジサイが一面に広がる。地元の加太観光協会が「世界一のアジサイ園」を目指し、2007年から市や市民、企業などと協力してアジサイを植える取り組みを始め、年々増え続けている。
恐竜や動物のオブジェが設置された「ちびっこ広場」付近から、森の奥へとアジサイは広がり、青や紫、ピンクなど多彩な色の花が満開。
市農林水産課によると、例年より開花は早く、今月下旬まで楽しめそうだという。
「アジサイ寺」として知られる海南市別所の願成寺では、約500株のアジサイが見頃。境内には青や白、ピンクのガクアジサイや山アジサイなどが並び、雨にぬれるアジサイは青や紫の色彩が一層際立ち、訪れた人の目を楽しませている。
同寺は約880年前に湛慶上人が待賢門院の冥福を祈るために建立したといわれ、本尊の木造千手観音坐像は鎌倉時代の作で、国の重要文化財に指定されている。
カメラを手に訪れた人は、大ぶりや小ぶり、ハート型のアジサイ、コケの歩道とアジサシイを一緒に写したりと、撮影を楽しんでいた。
同市の60代の男性は「雨が上がったので色鮮やかなアジサイが見られると思って来た。静かでゆっくりと見ることができるので癒やされる」と話していた。